日本の伝統的な行事「小正月(こしょうがつ)」は、1月15日を中心に祝われるお正月の締めくくりの行事です。この日には、豊作祈願や健康を願う意味を込めたさまざまな風習が行われ、地域ごとに特徴的な行事食が振る舞われます。小正月の代表的な食べ物、地域ごとの行事食について詳しく紹介します♪
小正月とはどんな行事?
小正月は1月15日にあたる行事で「女正月」や「後正月」とも呼ばれます。お正月の行事が一区切りつく日として、主に女性が家事の手を休めたり、家族で穏やかなひとときを過ごすことが一般的です。また、農作物の豊作祈願や家族の無病息災を願う儀式が行われる日でもあります。小豆粥を食べる風習やどんど焼き(左義長)の行事を行う地域が多く見られます。
小正月の食べ物一覧
小正月に食べる行事食や、よく食べられる食べ物をまとめました。
小豆粥
小豆粥は、小正月の代表的な行事食で、無病息災や厄除けを願うために食べられる伝統料理です。小豆には古くから魔除けや厄払いの力があると信じられており、特にその赤い色が邪気を祓う象徴とされています。お正月の豪華なごちそうで疲れた胃を優しく癒してくれるお粥として食べられます。
小豆粥は、炊き上げた小豆と米を一緒に煮るだけのシンプルなレシピが一般的ですが、小豆を柔らかく煮て甘さを引き出すものもあれば、塩味で素朴に仕上げる場合もあります。また、小豆粥の中にお餅を入れるものも見られます。
小正月に飾る餅花、繭玉
餅花とは、小正月の期間に飾られる飾り物で、柳の枝や木の枝に小さな餅を花のように飾り付けたものです。五穀豊穣や家内安全を祈る縁起物として親しまれています。また、飾り終えた小正月の終わりには餅を焼いて食べることで厄除けの意味があります。同じように餅を木に飾るものとして、繭玉と呼ばれる木の枝に白や赤の団子を飾りつける風習があります。これは養蚕の盛んな地域で、蚕の成長や豊作を願うために行われていました。木の枝に餅をつける飾りとして、繭玉、餅花、花餅、成木餅、団子木(山形)、と地域や呼び名に違いがありますが、基本的には同じような風習に基づいた飾り物です。
どんど焼きで焼いた餅や団子
どんど焼きは小正月に行われる、お正月の期間に飾っていた正月飾りを神社に集めて一斉に焚き上げる行事です。地域によって左義長(さぎちょう)、さいと焼きなど様々な呼び方があります。正月飾りを丁寧に焚き上げることで、そこに宿った神様をお送りするとともに、その火にあたることで1年の無病息災を願います。また、この火で餅や団子を焼いて食べると一年病気にならずに過ごせると伝えられています。
ぜんざい
小豆を使った甘いぜんざいも、小正月にぴったりのデザートです。小豆粥と同じく、小豆の赤色が厄除けの意味を持っています。1月11日の鏡開きの日に開けた餅が残っていればぜひ。
地域の小正月の行事食
小正月の風習は、地域によって違いが大きいです。行事食も各地エリアで独自に食べられるものがあります。
けんちん汁
関東地方(茨城県、栃木県)や東北地方(福島県、岩手県)の一部では、小正月にけんちん汁が食べられます。正月けんちんや小正月汁と呼ばれ、根菜や豆腐を使った汁物で、小正月の寒い時期は体を温めてくれます。
七福炒り鶏
縁起の良い七福神から由来して七種類の具材を使った炒り鶏(筑前煮)は、縁起を担ぐ料理として小正月にふるまわれます。主な具材七種は鶏肉、ごぼう、里芋、人参、こんにゃく、椎茸、竹の子ですが、具材は家庭によって変わります。食べられている地域は全国各地バラバラで、学校給食でも提供されています。
けの汁
青森県など東北地方で食べられる「けの汁」は、大根、人参、ごぼうなどの根菜や山菜、豆腐、大豆、油揚げなどをたっぷり入れた具沢山の味噌仕立ての汁物です。小正月に女性たちが少しでも落ち着けるようにけの汁を作り置きして数日にわたって楽しみます。粥を「け」と呼ぶことから「かゆの汁」→「けの汁」と呼ばれる説があります。秋田県では「きゃのっこ汁」と呼ばれるものもあります。
つぼっこ汁
北海道や岩手県などの一部で小正月に食べられるつぼっこ汁は、具材は地域によって異なりますが煮しめに入れる根菜類に豆やごはんで作った団子を加えた、醤油ベースの汁物です。大きい鍋でたくさん作り、温め直して数日にわたって食べます。
きらず団子
岩手県などの一部で小正月にきらず団子と呼ばれるお団子を食べます。きらずとはおからのことで、おからと薄力粉を混ぜて、黒ごまも加えて作る団子です。おからなので、栄養価が高い小正月のおやつです。
小正月の行事食を食べて一年の健康を願おう♪
小正月は、忙しいお正月が終わり、ほっと一息つける日。家族で過ごしながら一年の健康や豊作を願う大切な行事です。小正月にはぜひ伝統的な行事食を取り入れてみてはいかがでしょうか^^
最後まで見ていただきありがとうございます♪
コメント