2月の最初の「午の日」に行われる伝統行事、初午(はつうま)。稲荷神を祀り、豊作や家内安全を願うこの日は、特別な行事食が欠かせません。いなり寿司が代表的な料理として知られていますが、いなり寿司以外の食べ物も含め、初午の行事食を詳しくご紹介します♪
初午とは
初午(はつうま)は、毎年2月の最初の「午(うま)の日」に行われる日本の伝統的な行事です。かつて日付は十二支を使って数えられており、その午の日にあたる日です。この日は、稲荷神社の由来となる神様が稲荷山に降り立ったとされる日で、農業や商業の神様である稲荷神を祀る行事として広まり、農作物の豊作や家内安全、商売繁盛を祈る日として大切にされています。稲荷神はその使いであるのが狐。初午には狐の好物である油揚げが奉納される習慣があります。
初午に食べる食べ物
初午の代表的な行事食はきつねの好物である油揚げを使った「いなり寿司」ですが、それ以外にも地域特有の行事食が食べられます。初午に欠かせない食材や料理をまとめて紹介します♪
油揚げ
油揚げは、稲荷神の使いとされる狐が好む食べ物として伝えられています。そのため、初午の日には神様への供物や料理に欠かせない存在です。いなり寿司として食べられることが多いですが、うどんに入れてきつねうどんにしたり、味噌汁、お浸しの具材としても使われるほか、地域によってはそのまま炙って醤油をつけて食べることもあります。
いなり寿司
甘辛く煮た油揚げに酢飯を詰めたいなり寿司は、初午の行事食として稲荷神を祀る日に特にふさわしい料理とされています。家庭や地域ごとに味付けや具材に違いがあり、味付けやごはんに混ぜ込む具材、オープンいなりにするなど、アレンジの幅も広いのが特徴です。また、地域によっていなり寿司の形が違い、東日本では米俵型、西日本では狐の耳のような三角形が一般的です。
初午バージョンできつねのいなり寿司を作りました♪↓
ちなみに、味付けいなりを販売しているメーカーのみすずコーポレーションさんが2月11日を「初午いなりの日」と制定しています。
きつねうどん
油揚げを使った「きつねうどん」もよく食べられます。白くて長いうどんの麺は長寿を象徴するとされ、家族の健康を願う意味が込められます。また、寒い時期の初午には温かいうどんがぴったり。メニューや商品化されたりもしています。初午の行事食として初午うどんを食べる地域もあり、舞鶴市の吉原地区で初午の日に子どもたちだけでうどんを作って食べるという伝統行事があるそうです。
油揚げやいなり寿司以外の初午の食べ物
いなり寿司が定番ですが、それ以外にも初午の行事食や、特定の地域独特の食べ物が食べられます。
赤飯
赤飯はお祝い事に欠かせない日本の行事食です。赤飯の小豆の赤い色が邪気を払うとされ、初午に限らずいろんなお祝いで食べられます。初午の日には、稲荷神に豊穣を祈願し、神前にお供えする風習があります。
初午団子
初午団子は、初午に食べられる繭の形をした白玉団子です。岐阜県や富山県などの養蚕の盛んな地域では初午には蚕の神様を祀る行事も行われたため、上質な繭がたくさんできるように願いを込め、神様に繭の形をした初午団子をお供えしています。上新粉で作られるシンプルなお団子です。
しもつかれ
しもつかれは、栃木県を中心に北関東地方で食べられる郷土料理で、大根、人参を鬼おろしという粗めのとぎ道具ですりおろし、油揚げ、大豆、酒かす等と一緒に煮込んだ煮物です。各家庭に昔から受け継がれてきた作り方や削る道具である鬼おろしがあり、家庭によって味が異なります。初午に合わせて作られ、無病息災や豊作祈願の意味が込められています。しみつかれ、すみつかれ、すみつかりとも呼ばれます。
甘酒
全国の初午の日に行われる稲荷祭りでは、甘酒を振舞う習慣がある地域もあります。初午は稲荷祭りは稲作の豊作を祈る行事でもあることから、神聖な意味を持つ甘酒が飲まれます。米麹を使った甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれるほど栄養価が高く、体を温めながら厄除けの意味も持ります。寒い初午の時期に、神社の境内では参拝者に甘酒が振る舞われることもあります。
旗飴
奈良県の一部で初午行事にお供えする飴菓子。色紙を貼り付けた細い棒の先に色鮮やかな飴をつけたもので、商売繁盛を願い稲荷神社に供え、子どもたちがそのおさがりの飴をもらいに家をまわるという風習があったそう。今は一部地域のみで行われるのみとなっています。
ねじりおこし
三重県松阪市の岡寺山継松寺で3月の初旬に行われる初午大祭では、縁起物の菓子である「ねじりおこし」が初午名物として販売されています。ねじりおこしは厄をねじ伏せるという意味が込められています。おこしの片面に青のりが付けられて、それがねじられています。とっても大きいねじりおこしも売られています。
しんこまんじゅう
栃木県佐野市田沼町の一瓶塚稲荷神社の初午祭りの名物。上新粉であんこを包んだもので、黄色黄緑ピンクのワンポイントがついた可愛いおまんじゅうです。もともとは花まんじゅうというお花を表したおまんじゅうでした。しんこまんじゅうの「しんこ」とは、新粉を使っているからや、稲荷神社への信仰を意味をするなど諸説あり。
大根焚き
京都大原の三千院では、初午に大鍋で作る「幸せを呼ぶ大根焚き」を、お参りに来た参拝者に無料で振る舞われます。無病息災、開運招福を願い、いただきます。
初午の行事食を食べて家内安全、商売繁盛を願おう♪
初午の定番である油揚げを使った料理以外にも、意外といろいろある初午の行事食。ぜひ初午の行事食を食べて、1年の幸せと商売繁盛を願いましょう!
最後まで見ていただきありがとうございます♪
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